1996年、私が初めて携帯電話を持った年です。
携帯電話の普及によって、人と人との「スピードに対する感覚」は一気に変わりました。
連絡を取りたいと思ったら、すぐに連絡が取れる。それが当たり前になりました。
その結果、人は「待てない」生き物になっていったように思います。
今の時代、待ち合わせで1時間もぼんやりと待ち続ける人は、まずいません。
不満の半分も、感謝の半分も、スピードが決めている
以前勤めていた会社での経験になりますが、お客様相談室に寄せられる「お客様からの不満の言葉」のうち、半分以上が対応スピードに関するものでした。
そして、興味深いことに、「お客様からの感謝の言葉」もまた、半分以上が対応スピードに関するものだったんです。
つまり、対応の中身そのものと同じくらい、あるいはそれ以上に、「どれだけ早く反応してくれたか」がお客様の感情を左右しているということです。
自分が何かに困って、問い合わせをした場面を思い出してみてください。
返信が来るまでの時間が、そのまま企業への印象になっていたはずです。

営業にとって最も分かりやすい信頼構築の手段
営業パーソンにとって、最も重要なことは、お客様からの「信頼・信用」です。
そして、信頼関係を構築する手段の中で、最もシンプルで、最も分かりやすいのがスピードではないでしょうか。
特に大事なのが、お客様からの問い合わせに対する、レス(返信)のスピードです。お客様の予想を超えた対応スピードだった場合、お客様は感動に近い感覚を受け、一気に信頼感が増します。
メールの返信、どれくらいで「遅い」と感じられているのか
参考になるデータがあります。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が毎年実施している「ビジネスメール実態調査2022」によると、7割を超える人が、送信後24時間(1日)以内に返信が来ないと「遅い」と感じると回答しています。
つまり、多くのビジネスパーソンにとって、「翌日以降の返信」はすでに”遅い対応”として認識されているということです。お客様からすれば、なおさら短いスパンで判断されている可能性があります。

出典:一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2022」(https://businessmail.or.jp/research/2022-result-2/)

出典:「メール対応が早くて助かりました」と言われる企業が重視する3つの指標(https://www.maildealer.jp/column/method/three_time.php)
「約束の時間を守る」の積み重ねも、信頼を作る
これは当たり前のことですが、「約束の時間を守る」ことを積み重ねることでも、信頼度は着実に増していきます。
逆に、約束の時間を守れなかったときの信頼の落ち方は、想像以上に大きいものです。
お客様の期待や予想を、良い意味で超えたとき。
営業パーソンへの信頼感は一気に跳ね上がります。
そしてこの「期待を超える」という体験を、一番作りやすいのが、スピードなんです。
明日からできること
- 問い合わせを受けたら、内容への完璧な回答よりも先に、「確認しました。〇時までにご連絡します」という一次返信を即座に送る
- 商談や約束の時間は、1分単位で守る意識を持つ
- 「すぐに答えられない案件」ほど、「いつまでに答えるか」だけでも先に伝える
対応の中身を完璧にしてから返信しようとすると、結果的に返信が遅れます。
先に「受け取りました」を伝えるだけで、お客様の不安の大部分は解消されます。
まとめ
対応スピードは、営業スキルの中でも、特別なテクニックを必要としない、誰でも今日から実践できる信頼構築の手段です。
お客様からの不満も、感謝も、その多くがスピードによって生まれています。中身を練り込む前に、まず「早く反応する」ことを徹底するだけで、信頼関係は着実に積み上がっていきます。
弊社では、若手営業向けに一次返信の型やレスポンスの優先順位づけを学ぶ研修を、管理職向けにはチーム全体の対応スピードを可視化・改善する仕組みづくりを、それぞれ研修としてお渡ししています。
「お客様対応のスピードが、チームでバラバラになっている」
心当たりがあれば、問い合わせください。
現状をうかがった上で、どこから手を入れると一番早く変わるか、一緒に整理します。
参考文献 ・一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2022」(https://businessmail.or.jp/research/2022-result-2/)
・「メール対応が早くて助かりました」と言われる企業が重視する3つの指標(https://www.maildealer.jp/column/method/three_time.php)