「営業の本質とは何か」
この問いに、あなたならどう答えるでしょうか。
一般的に「本質」とは、そのものから欠くことのできない、最も根本にある性質・要素のことです。つまり「営業の本質」とは、これだけは絶対に欠かせない、売れている営業が共通して持っている性質・要素のことだと言えます。
売れている営業に共通する要素を、棚卸ししてみる
あなたが知っている「売れている営業パーソン」を、思い浮かべてみてください。
継続できる覚悟や忍耐力。あふれる向上心。明確な目標設定と逆算力。すぐやる行動力。レスの早さ。圧倒的な活動量。
テクニカルな面では、豊富な商材知識。経験してきた事例の引き出しの多さ。社内リソースの把握とアサイン力。
コミュニケーションの面では、ヒアリング力、プレゼン力、クロージング力。最近では、全体を見渡す俯瞰力も、重要なスキルとして挙げられるようになりました。
どれも大事な要素です。ただ、これだけたくさん並べても、お客様に買ってもらえなければ、営業としての意味を成しません。
「営業の本質」は、関係性構築能力である
この観点から言うと、営業の本質とは、「お客様との信用・信頼を構築できる能力(関係性構築能力)」ではないかと思います。
どれだけ優れた営業スキルを持っていても、お客様からの信用・信頼がなければ、買ってはもらえません。逆に言えば、信頼さえあれば、多少スキルが粗くても、お客様は話を聞いてくれます。

信頼している人を思い浮かべると、共通点が見えてくる
ここで、もう一度考えてみてください。
あなたが今、信用・信頼している人は誰でしょうか。両親、親友、お世話になった会社の先輩。そういった顔が浮かんだのではないでしょうか。
では、なぜその人たちを信用・信頼しているのでしょう。それぞれに固有の理由があるとは思いますが、突き詰めると、この3つは外せないはずです。
- 自分のことをよく知っている
- 自分のことをいつも気にかけてくれる
- 自分のことを認めてくれる(尊重してくれる)
お客様も、一人の人間です。人が信用・信頼するベースは、そう大きくは変わりません。
お客様に信頼される、営業の2つの行動
営業がお客様に信頼される、つまり関係性を構築するためには、この2つの行動が欠かせません。
① お客様のことをよく調べ、確認するように質問する
事前にお客様のことを調べておく。そして、調べた内容をそのまま黙っているのではなく、確認するように質問することで、「私は御社を理解しようと努力しています」という小さなアピールになります。
この一言があるだけで、初対面でも警戒心はぐっと下がります。さらに、質問への回答から、理解を一段深めることもできます。
② 常にお客様のことを気にかけ、まずは話を尊重する
もう一つは、お客様のことを気にかける質問を投げかけ、返ってきた答えを、まずは素直に受け止めることです。
具体的には、こんな質問が挙げられます。
- 「世間ではこのところサイバー被害が多く出ていますが、御社は大丈夫でしたか?」
- 「テレワークになって、逆に効率が悪くなった部分はありますか?」
- 「IT関連に限らず、個人的なことでも構いません。今、困っていることはありますか?」
- 「前任の営業が、やり残していた仕事はありませんでしたか?」
- 「お忙しいところ恐縮ですが、少しだけお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
こういった気遣いの質問を投げかけ、お客様からの答えを、まずは否定せず受け止める。これだけで、関係性は大きく変わっていきます。
明日からできること
今週は、商談の中身を変える前に、まず「お客様の話を、耳と目と心で聴く」1週間にしてみてください。
- 商談の冒頭で、事前に調べた内容を1つだけ確認質問にしてみる
- 商談の中で、気遣いの質問を1つだけ投げかけてみる
- 返ってきた答えに対して、否定や訂正を挟まず、まずは最後まで受け止める
たったこれだけでも、お客様との距離は変わっていくはずです。
まとめ
営業の本質は、スキルの豊富さではありません。お客様との間に、信用と信頼を築けるかどうかです。
そしてその信頼は、特別な才能ではなく、「よく知る」「気にかける」「尊重する」という、ごく当たり前の3つの行動の積み重ねから生まれます。