先週の「目標達成」では、「目標を紙に書いて、1日1回必ず見る」というお話をしました。
今回はその続編として、目標達成率をさらに引き上げるための、4つの工夫をご紹介します。

① 測定可能な目標を、完了形で書く
目標を書くとき、「なりたい」ではなく「なった」という完了形で書いてみてください。
「売上を伸ばしたい」ではなく、「売上を◯◯円伸ばした」。「信頼される営業になりたい」ではなく、「お客様から真っ先に相談される営業になった」
完了形で書くと、目標が「これから頑張ること」ではなく「すでに達成した事実」として、脳内でイメージしやすくなります。
② 大きな目標を、細分化してみる
大きな目標は、そのままだと漠然としすぎて、何から手をつけていいか分かりません。
そこで、目標を小さく分解してみてください。年間目標なら四半期に、四半期目標なら月次に、月次目標なら週次に。細かく分解していくと、「これなら今日できる」という単位まで、必ずたどり着きます。
小さく分解することで、「できること」が見つかるのです。
③ その目標を「なぜやるのか」、再定義する
目標そのものだけでなく、「なぜその目標をやるのか」を、改めて言葉にしてみてください。
「なぜ?」に対する答えは、行動に直結します。「売上を伸ばしたい」だけでは動けなくても、「家族との時間を増やすために、効率よく成果を出したい」という理由まで言語化できると、日々の行動の優先順位が変わってきます。
④ 目標の完成図を、画像化する
目標を、文字だけでなく、画像として持っておくことも効果的です。ネットから、その目標に関連する画像や、成功をイメージさせる写真を集めてみてください。
なぜ画像が効くのか。私たち人間が外界から得ている情報は、視覚からのものが圧倒的に多いと言われています。1980年に照明学会が編纂した『屋内照明のガイド』などの文献では、五感による知覚の割合として、視覚が全体の8割以上を占めるという数値が紹介されています(数値は出典によって多少幅がありますが、視覚が突出して多いという傾向自体は、複数の文献で共通しています)。
そして、脳は「現実」と「想像」を、はっきりとは区別できないとも言われています。鮮明に思い描いた「想像」を、脳が「現実」に近づけようと働きかける、という考え方です。紙に書いた目標と一緒に、完成イメージの画像も日常的に見ることで、この効果を後押しできます。
目標は、口にするだけでも意味がある
もう1つ、お伝えしたいことがあります。
目標は、口にした方がいいとよく言われます。
声に出すことで、口と耳の両方が目標を認識し、脳がさらに目標に向かって働くと言われているためです。
ここで、「言葉を吐く」という表現について、少し面白い話をご紹介します。
「吐く」という漢字を分解すると、「口」+「+」+「−」になります。この「−」を取り除くと、「叶う」という漢字になります。
「−」を取るということは、ネガティブな発言をしない、ということです。
もちろん、これは漢字の成り立ちとしての厳密な由来ではなく、あくまで言葉遊びのようなものですが、目標に向かう姿勢としては、なかなか示唆に富んでいると思います。
まとめ
目標達成率を上げる4つの工夫は、どれも今日から始められることです。
- 完了形で書く
- 小さく分解する
- 「なぜ」を再定義する
- 完成図を画像化する
そして、目標は紙に書くだけでなく、口に出すことも忘れずに。ネガティブな言葉を減らしながら、お互い目標を達成する1年にしましょう。
弊社では、若手営業向けに個人目標の設計と日々の振り返りを習慣化する研修を、管理職向けにはチーム全体の目標設計・共有の仕組みづくりを、それぞれ研修としてお渡ししています。
「目標は立てているのに、日々の行動に落とし込めていない」
心当たりがあれば、DMで一言ください。現状をうかがった上で、どこから手を入れると一番早く変わるか、一緒に整理します。
参考文献 ・Matthews, G. (2007). “The Impact of Commitment, Accountability, and Written Goals on Goal Achievement.” Dominican University of California. ・照明学会 編『屋内照明のガイド』(電気書院, 1980)