新入社員を迎える時期は、営業の基本をあらためて振り返る、よい機会です。
新人育成にも、ご自身の振り返りにも、使っていただけるよう、「営業の基本」を一つずつ掘り下げていきます。
営業とは、そして「営業の基本」とは
営業とは、企業が利益を得ることを目的として、業績を向上させるための活動です。
その本質は、信頼関係の構築だと、私は定義しています。言い換えると、売るために絶対に欠かせないのが、信頼関係です。
そこで、「営業の基本」とは、信頼関係の構築に欠かせない、基本的な要素だと考えました。
あくまで私の主観ですが、その要素を「10の営業の基本」としてお伝えしていきます。今回は、その1つ目、礼儀正しさです。

礼儀正しさを支える6つの振る舞い
① 挨拶:自分から先に
礼儀と聞けば、まず挨拶です。
自宅の近所で、なんとなく見覚えのある少年が、元気よく「こんにちは」と挨拶してくれた。
それだけで、その少年のことをよく知らなくても、好感を持ってしまうものです。
営業パーソンは、お客様も社内の人も含めて、毎日たくさんの方と顔を合わせます。
気持ちのよい挨拶は、相手に好感を与え、信頼の第一歩になります。
どんなときでも、自分から先に、気持ちのよい挨拶をする。
目下の方にも、同じようにします。
② お礼:去り際を丁寧に
次は、お礼です。
「ありがとうございました」という言葉に、真剣な眼差しと、お辞儀の角度、長さが加わると、伝わり方がまったく変わります。
私の場合、去り際のお辞儀を、特に丁寧にしています。最後の印象は、次に会うときの印象を変えます。
③ 謝罪:勇気をもって、素直に
3つ目は、謝罪です。
間違ったことをしたら、勇気をもって、素直に謝ります。言い訳から入らず、まず謝る。
信頼は、失敗したときの対応で、むしろ深まることがあります。
④ 言葉遣い:相手の都合を聞く
4つ目は、言葉遣いです。敬語は当たり前として、特に大切なのは、人に何かを頼むときの言葉遣いです。
たとえば、先輩に頼まれた書類ができて、確認してほしいとき。
✕「この間の書類ができたので、見てください」
○「今、少しだけお時間よろしいでしょうか。先日の書類ができましたので、ご確認いただけないでしょうか」
後者は、「相手の都合を聞く」+「依頼の形」になっています。相手への敬意が、言葉から伝わります。
⑤ 姿勢:耳と目と心で聴く
5つ目は、姿勢です。特に、人の話を聞く姿勢です。
背筋をピンと伸ばして、相槌と、丁寧な「はい」の返事とともに、相手の話を、耳と目と心で聴く。
話を聞いてもらえた、という感覚は、相手の信頼につながります。
⑥ 嘘をつかない
最後は、嘘をつかないことです。
シンプルですが、これが土台です。ほかの5つが整っていても、嘘が1つ見つかれば、信頼は崩れます。
小さなものも含めて、次の点を意識してください。
- 分からないことは、「分かりません。調べて回答します」と言う
- 「確認します」と言ったことは、必ず確認して返す
- 約束した期限は、守る
今週やってみてほしいこと
6つすべてを、一度に意識するのは大変です。今週は、次の3つに絞ってみてください。
- 挨拶を、自分から先に(社内の人にも)
- 去り際のお辞儀を、いつもより丁寧に
- 人に頼むとき、「お時間よろしいでしょうか」から始める
まとめ
- 営業の本質は、信頼関係の構築。その基本の1つが、礼儀正しさ
- 礼儀正しさは、挨拶・お礼・謝罪・言葉遣い・姿勢・嘘をつかない、の6つで構成される
- 挨拶は自分から先に。お礼は去り際を丁寧に
- 頼むときは、相手の都合を聞いてから、依頼の形で
- 嘘をつかないことが、すべての土台
新人に伝えるときの、一言
新人に礼儀を教えるとき、「挨拶しなさい」と指示するだけでは、定着しません。
「挨拶は、まだ話したことのない相手に、好感を持ってもらう、いちばん早い方法だよ」と、理由を一緒に伝えてください。
理由が分かれば、人は自分から動きます。
そして、教える側が、誰より先に挨拶することが、いちばんの教育です。
次回も、「10の営業の基本」を一つずつ、掘り下げていきます。