すべての人間には、「良いDNA」と「悪いDNA」の両方が共存している。
成功している人は、この「良いDNA」のスイッチが入りっぱなしの状態で、「良いDNA」に満たされている。
これは、遺伝子工学の研究者として知られる村上和雄氏(筑波大学名誉教授)が、著書の中で提唱している考え方です。
すべての遺伝情報のうち、実際に働いている(発現している)部分はごく一部であり、心の持ち方によって、その「働く部分」が変わる可能性がある、という視点です。
なお、これは厳密な医学的診断や再現性の高い実験結果というより、村上氏自身の研究者としての知見と、長年の講演活動を通じて広まった、人生哲学に近い考え方だという点は補足しておきます。
ただ、その根底にある「心の持ち方が、日々のパフォーマンスに影響する」という発想自体は、多くの実践者の実感とも重なる部分があります。
スイッチを入れる、3つの行動
村上氏の考え方によれば、この「良いDNA」にスイッチを入れる行動は、「笑い」「感謝」「感動」の3つだとされています。
- 笑う
- 感謝する
- 感動する
このいずれかの行動によって、自分自身を「良いDNA」に支配された状態へと、意識的にコントロールしていく、という発想です。
なぜ「感謝」には、大きな力があるのか
特に「感謝」には、大きな力が秘められています。
心理学者のロバート・エモンズらが2003年に発表した研究があります。
参加者を複数のグループに分け、毎週「感謝していること」を書き出したグループと、そうでないグループを比較したところ、感謝を書き出したグループは、心身の健康状態や生活満足度において、有意に良い結果を示しました。
「感謝の気持ちを持つこと」には、幸福感を高め、ストレスを軽減する効果があると、複数の心理学研究で報告されています。
また、感謝の気持ちを持ち続けると、自然と謙虚になれます。そして、謙虚に頑張る人のまわりには、応援してくれる人が集まってくるものです。
嫌なことがあった日は、「ありがとう」を意識的に使う
とはいえ、嫌なことがあったりすると、つい感謝することを忘れてしまう日もあると思います。
そんなときは、ネガティブな出来事を上書きするように、「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」と、意識的に唱えてみてください。
感謝で1日を終えることは、その日の気分を整えるだけでなく、明日を今日よりさらに良い日にするための、心の準備とも言えます。
今日からできること
- 1日の終わりに、その日あった「感謝できること」を1つだけ思い出す
- 嫌なことがあった日ほど、「ありがとう」を意識的に口に出してみる
- 商談やチームの中で、笑い・感謝・感動を感じた瞬間を、小さくメモしておく
まとめ
「良いDNA」「悪いDNA」という表現は、正確な医学用語ではなく、あくまで一つの捉え方です。
ただ、笑い・感謝・感動という前向きな感情を意識的に増やすことが、日々のコンディションやパフォーマンスに良い影響を与えることは、心理学研究からも一定の裏付けがあります。
常に感謝の気持ちを忘れず、自分の中の前向きな力を、意識的に引き出していきましょう。
弊社では、若手営業向けに日々のコンディションを整える振り返り習慣の研修を、管理職向けにはチーム全体のポジティブな振り返り文化づくりの研修を、それぞれ研修としてお渡ししています。
「チームの雰囲気が、どうしてもネガティブに傾きがち」
心当たりがあれば、問い合わせよりご連絡ください。
現状をうかがった上で、どこから手を入れると一番早く変わるか、一緒に整理します。
参考文献 ・村上和雄『スイッチオンの生き方』(致知出版社)ほか、著者の関連著書 ・Emmons, R. A., & McCullough, M. E. (2003). “Counting Blessings versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life.” Journal of Personality and Social Psychology.